負担付贈与
■負担付贈与とは
贈与契約の中で、受贈者にもなんらかの債務を負担させる契約をすることがあります。
例えば、「1億円相当の土地をもらい、代わりに毎月4万円の生活費を10年間送金する」というような、贈与の目的物の対価にはなりえない程度の債務を負担するケースです。
この場合、贈与の目的物である1億円の土地に対して、生活費の送金は合計480万円であり、対価関係にあるとはいえません。
このようなものを負担付贈与といいます(民法553条)。
負担する債務が大きく、贈与の目的物と釣り合いが取れてしまうような場合は、もはや贈与ではなく売買契約などの有償契約となります。
■負担付贈与と贈与との違い
負担付贈与の場合は、双務契約に関する規定が適用されると法律上定められています(民法553条)。
例えば、先程の例であれば、相手が未だ土地を引き渡してくれていない場面において、引き渡してくれるまで生活費の送金を行わないと拒むことができます(同時履行の抗弁権。民法533条)。
また、負担付贈与の場合には、受贈者が負う負担の限度で、贈与者は売買における売主と同じ担保責任を負うと定められています(民法551条2項)。
例えば、仮に土地が480万円よりも安かったら、受贈者は、その額まで自己の負担を減額することを求めたり、そのような贈与契約を解除したりすることができます。
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